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Miracle Waterをつくる。

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アーティストの本領 ~雑司が谷アートステーションZで藤浩志さんの設営に参加して~

 これまで幾人かのアーティストの設営現場を見てきたけれど、自分も設営を手伝うことになったのは、今回のMiracle Water(ミラクルウォーター)の活動に加わり、藤浩志さんの設営現場に入ったのが初めて。前日の大阪での仕事のため、東京から一旦大阪へ移動し、再び東京へと戻ってきた藤さんは、一目見て寝不足とわかる様子をしながらも、いつもと違う張り詰めた雰囲気で設営現場に入って来た。アーティストの本領 ~雑司が谷アートステーションZで藤浩志さんの設営に参加して~_e0250097_444749.jpg
通常の穏やかな藤さんしか知らないほとんどの人は、別人のような緊張感を持って設営を始めた藤さんに、オロオロとついていくのが精一杯。藤さんは、戸惑う周囲を気にも留めず設営に没頭。昨年まで空き店舗として使われることのなかった設営現場を、小まめに移動しながら様々な配置を決めていった。

そんな中で、問題になったのが通路に面したカラス張りの空間。事務局側は、保安上の問題を理由に、営業終了後に閉めるカーテンは移動しないよう主張したが、藤さんは食い下がり、結局は現場担当者が「持ち帰り検討します」という返事をした直後にカーテンを撤去。問題があれば後日検討しましょうという態度を崩さなかった。

アーティストの本領 ~雑司が谷アートステーションZで藤浩志さんの設営に参加して~_e0250097_472328.jpg
重たい感じのする黒っぽいカーテンは、それを見た人ならば、誰もがちょっと邪魔だなと思えるようなものだった。しかし事務局から、「カーテンの開け閉めは必ず行ってください」と言われ、誰もがカーテンは取り外すことはできないものだと思い込んでいた。そんな中、藤さんは、事務局のルールに従わず実力を行使。カーテンの無い方が数段素晴らしい空間になることを、そこにいる人たちに示した。

以前、Miracle Waterの活動について問い合わせたメールの中で、「深く、大切で、面白い活動をつくることだけを考えることが大切です」という励ましの言葉を送ってくれた藤さん。今回の設営で垣間見た姿に、これまで30年間、アーティストとして様々な空間に向き合い、自分なりの回答を示し続けてきた人だけが持つ強さのようなものを感じた。
(阿部和璧)
by mwlab | 2011-10-23 04:12 | 活動報告
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